上橋菜穂子「鹿の王」

2014年初版発行された上橋菜穂子さんの「鹿の王」を知人からの誕生日プレゼントとして読ませていただきました。 プレゼントされた際、上下巻というページ数がある本書を、とっつきにくいなぁと感じていた印象があります。 本書は、主人公が岩塩鉱に奴隷として捕まっている場面から始まります。読み始めは、世界観がつかみきれず読みづらい印象もありましたが、読み進めるうちに緻密な設定や文章表現がなされており、本当に存在する世界のように感じられるようになっていきました。現実と向き合う主人公たちを取り巻く世界と現状に対して、もど... Read More

安部公房「砂の女」の感想

安倍公房の作品にたびたび登場するシチュエーションに何か人間にとって大切なものを失うというものがあります。 そして、その何かを失った主人公の心理がだんだんと変化していく過程が面白いと思っているのですが、今回のこの「砂の女」では、厳密にいえば何かを失ったわけではないのですが、失っています。 簡単に説明すると、主人公が昆虫採集に訪れた砂に囲まれた村落に宿泊するのですが、その主人公がその宿に閉じ込められてしまい、家に帰れなくなるというお話なのですが、その閉じ込められた宿の中に一人の女がいるのですが、その女と日々を... Read More

古本を捨てるよりは買取業者に売った方がお得

我が家は定期的に本、文庫本やハードカバー、学習参考書、女性情報誌に至るまであらゆる書籍を買い取り業者に売っています。 もちろん、まとめて捨ててしまうということも考えるのですが、金額を別にしてこうした物を捨てるよりは買取業者に売り、逆に再利用してもらうことができたのなら、それはそれでエコかなあというのがそもそもの考え方です。 ですから私だけではなく家族みんなが書籍に関しては書き込みや折り込みなどを極力入れないようにしています。 次に使ってもらえる方に満足してもらえるようにしようと考えています。 もちろん、査... Read More

「三国志」著/吉川英治 大作にして傑作の歴史ロマン!

「三国志」その名を知らない人はいないでしょう。 今から1800年前の中国大陸を舞台にした歴史物語です。 国の腐敗と民の窮乏を救おうと正義感に燃える青年劉備をはじめ、天才的な用兵術と権謀術数を駆使して権力のトップにのし上がっていく曹操、天下無双の武力を持つ呂布など、魅力的な人物たちの活躍が描かれています。 本著は俗に「吉川三国志」と呼ばれ、文庫本にして全八巻、ページ数にして約3200ページを数える一大歴史小説になっています。 物語は劉備を中心に描かれ、彼が関羽、張飛と義兄弟の契りを結んで挙兵し、諸葛亮孔明と... Read More

「成功の錬金術」著/サチン・チョードリー

インドの大富豪、サチン・チョードリー氏による著作です。サチン・チョードリー氏は恵まれない境遇に生まれながら独自に成功をする道を探り、その結果世界に名を馳せるほどの富豪になることに成功した人です。 世界で活躍するインド人の富豪は、中国の華僑などと同じく「印僑」と呼ばれ、彼もその一人です。 本では、インド人が悩み事を改善するときなどに使う「ジュガール」というやり方について、彼がうまくいった成功例を基に記述されています。 「ジュガール」とはつまり、「今あるもので何とか工夫して物事を成功に導くこと」であり、私個人... Read More

天体の回転についてを読み、様々なSFを知った事

作家小林泰三が書いた天体の回転についてを紹介します。 この本はSF短編小説集で、ロボットやタイムパラドックス、宇宙旅行などをテーマにした短編が出てきます。 この本を書いた作者は大学の工学部出身で、科学の事について考えるのが好きみたいです。小難しい論理や残酷な描写に抵抗がない人に薦めたい本です。 表題作の天体の回転については、青年と美少女のキャラクターが交わす会話が面白く、語尾のハートマークはインパクトがあります。 途中でコリオリの力や遠心力についての解説が出てきて、頭を使う内容だと思ったのですが、コリオリ... Read More

小説仮面ライダーディケイドの感想

鏡弘亜樹さんの、特撮テレビドラマ『仮面ライダーディケイド』のノベライズ版です。テレビとは全く違った物語になっており、それも楽しみの一つです。 副題は「門矢士の世界~レンズの中の箱庭~」となっており、主人公である門矢士を中心に進んでいきます。テレビ版では、士は記憶喪失の青年として描かれ、彼の素性については語られてきませんでした。それに対して小説版では、どこにでもいる無気力な青年になっています。 士は偶然から、数々の並行世界をめぐり、その世界ごとに起こっている様々な事件を解決していく「通りすがりの仮面ライダー... Read More

綿矢りさ著「大地のゲーム」

最近、綿矢りさ著の「大地のゲーム」を読み、色々と思うことがあったので書こうと思います。 時代は現在でなく近未来の話。とてつもない大地震が起こり、多くの被害が出ている中、再び1年以内に同じくらいの地震、もしくはもっと大きな地震が来ると予想されている都市が舞台です。主人公はそんな都市にある大学に通う学生です。災害の被害のせいで大学はめちゃめちゃになり、学生たちは満足な対応をしない大学側、国家に腹を立て、デモを起こします。そんな混沌の中、大学内では様々な事件が起こっていきます。 この小説は近未来の話として描かれ... Read More

ザ・コーチ 最高の自分に出会える「目標の達人ノート」

主人公の星野(36歳)は住宅メーカー営業部の万年係長。人柄もよくそれなりに人望もあるのだが、肝心の販売成績がなかなかふるわない。ある日、期待を寄せていたお客に逃げられた星野は、むしゃくしゃした気持ちを静めるために、いつもの公園に出かけた。そこに偶然現れたのは、どこか見覚えのある一人の老紳士だった。 その老紳士は大手会社の会長。 その老紳士から「目的、目標、ゴール、夢、ビジョン」など自分の人生設計を思うままにしていき本当に大切なことは何か?を日々アドバイスを出会った公園で毎週聞き日々実践していく物語です。 ... Read More