啓発本やビジネス書など、ありきたりのことしか書いていないだろうと思っていました。それでも何と無く手をにとって表紙を開き、パラパラとページをめくって見て、そのまま引き込まれ、立ち読みを開始してしまいました。
おそらく、ここに書かれている趣旨は、誰もが一度は聞いたことのあるかもしれません。
しかし、カーネギーの文章は、説得力が違いました。
わかりやすく、読みやすく、イメージしやすく、今の自分に置き換えやすいものでした。
購入して1日で読んでしまい、それからいつもそばにおいて、時々読み返します。
キリスト教信者の方が聖書をそばにおいて、何かあれば開くように、私にとってこの本は、まさに人生のバイブルとなりました。
迷った時、困った時、人を疎ましく思ったり、言葉に傷ついた時、この本を開き、しばらく読みふけります。
この本の題名は「人を動かす」ですが、むしろ「自分はどう動くか」を考えさせられます。
書店では、ビジネス書、自己啓発書のコーナーに置いてあることが多いですが、実は教育についても非常に重要なことが書かれています。
日常に忙殺され、我が子への自分の向き合い方を猛省した父親が書いた、息子への手紙「父は忘れる」は、父親でなくても、子育て中の親御さん、
教師や保育士、放課後指導員にも読んで欲しいと思う、心に沁みる手紙です。親子、夫婦、家族という、小さな社会でのコミュニケーションや関係性を
豊かで穏やかに、円滑にするためのヒントや事例が盛り沢山です。
初版発行から80年を経てもなお、人の根幹にある、互いに分かち合い分かりあいたいという願いに答えてくれます。