吉本ばななのスイートヒアアフター

吉本ばななの本は表現がとても綺麗で、主人公が置かれている状況や風景を自分のことかのように感じることができます。
特にスイートヒアアフターという小説においては、自分が主人公の境遇におかれているかのような気分になります。
主人公が大好きだった彼氏とドライブ中に事故に遭い、彼氏だけ即死してしまったという設定なのですが、事故後意識が戻った後からの主人公の気持ちに感情移入してしまって序盤から泣かずにはいられませんでした。
起きたら大好きな人がいなくなっていて、しかも自分も思うように体が動かないという切なく悲しい気持ちが文章の表現からひしひしと伝わってきます。
誰しも大切な人が亡くなってしまったら大切な人と過ごした日々や思い出を思い返すと思います。
小説の中で事故に遭う直前の何気ない2人会話などを描いた部分があるのですが、その場面の2人が何とも幸せそうで胸が締め付けられそうな気持ちになります。
事故後の主人公は今まで見えなかったものが見えるようになってしまうという設定なのですが、その設定でこれまで悲しみにくれていた主人公への印象がガラッと変わりました。
幽霊などが見えるようになってからの主人公の生活が面白く、飲みに行った先の店で女の人が見えたり、アパートでこの世の人ではない微笑んだ女性が見えたり…。この主人公の生活の中で何が起こっていくんだろうとどんどん見入ってしまいます。
悲しみに暮れるだけではなく、新しい人との出会いも描かれていてもし自分に悲しいことがあっても頑張ろうと勇気をもらえる作品です。
たくさんの方に読んでもらいたいと心から思います。